2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

スクリーンに抜けるような青空を見た 『奈緒子』

喘息の治療のために家族でやってきた長崎県の波切島。小学生の奈緒子(藤本七海、上野樹里)は漁船に乗せてもらうが、海に転落し、助けられたが、代わりに船長が水死してしまう。あれから数年、高校生になった奈緒子は、船長の息子・雄介(三浦春馬)に再会…

丁寧な作品、だけどちょっと惜しい 『凍える鏡』

東京の公園で開かれるフリーマーケットで、青年(田中圭)は絵を描き、売っていた。彼の目は鋭く凶暴で、暴力的な態度に出ることもしばしばだった。ある日、通りかかった絵本作家の矢崎(渡辺美佐子)が彼の絵を認め、交流がはじまる。絵と彼の性格に心の闇…

そんなに僕を泣かせないでよ 『歓喜の歌』

田舎町にあるみたま文化会館で主任を務めるは飯塚正(小林薫)。春に異動で赴任して以来、適当でいい加減な毎日を過ごしている。口先だけは達者。それが災いして、あろうことか大晦日のママさんコーラスのコンサートをダブルブッキングしてしまう。部下にそ…

痛快なキャラクター勝負 『チーム・バチスタの栄光』

城東大学が誇る通称チーム・バチスタは、拡張性心筋症の手術で無敵の連戦連勝を重ねてきた。しかしある日を境に状況は一変。3連続の術死が発生する。執刀医の桐生(吉川晃司)は自ら原因調査を院長に依頼、その担当に、どういうわけか患者の愚痴聞きと名高い…

吉田拓郎で松竹のど真ん中を 『結婚しようよ』

「わたしは今日まで生きてみました/時にはだれかの力をかりて/時にはだれかにしがみついて/わたしは今日まで生きてみました/そして今 わたしは思っています/明日からも こうして生きて行くだろうと」*1 不動産屋の平凡なサラリーマン・卓(三宅裕司)は…

高校生にお勧め、大人には・・・ 『リアル鬼ごっこ』

佐藤翼(石田卓也)が街で喧嘩に明け暮れるころ、世間では苗字が佐藤の人ばかりが怪死する事故や事件が相次いでいた。ある日、喧嘩相手のチンピラまがいに捕まってピンチのとき、翼は突然、似て非なる別世界にワープしてしまう。そこでは、佐藤さんの数を減…

青春はブリ大根のように 『人のセックスを笑うな』

北関東のちょっとした街、開け放たれた広野の冬。美大に通うみるめ(松山ケンイチ)とえんちゃん(蒼井優)と堂本(忍成修吾)はいつもつるんで遊んでいる。ある朝方、3人が乗ったトラックはトンネルのなかで幽霊、いや幽霊のような女を目撃する。やがてそれ…

甘美な昭和懐古で終わらせない 『母べえ』

昭和15年、支那事変は泥沼化し、日本中が徐々に暗い影のなかに佇もうとしていた。東京の野上家にも心配事があった。ドイツ文学者の父べえ(坂東三津五郎)の著書が検閲を通らなくなった。ある2月の寒い日、父べえは特高に連行されてしまう。父べえの無事を祈…

百薬の長に陰りが

今日、昼休みに新聞を読んでいてはっとしてしまった。 寝酒にご用心!睡眠障害の恐れも 実はここの所、慢性的に体調が優れない。1週間以上になる。腹痛、軟便、食欲減衰、そして極度の眠気。慢性疲労とストレスが原因なのは知っているが、酒もしっかりと一翼…

なにかいいところはあったか 『KIDS』

そのなにもない街にアサト(小池徹平)はやってきた。タケオ(玉木宏)が彼を見つけたのは、ある食堂だった。テーブルにあった塩を超能力で手元に引き寄せていた。タケオは面白がってアサトを外に連れ出すが、そこで不良たちに絡まれる。一匹狼の荒くれ者の…

アイデアはいいが演出の調和に難あり 『音符と昆布』

もも(市川由衣)は家で留守番をしていた。音楽家の父親(宇崎竜童)が海外に出かけてしまったためだ。よくある話のはずが、その日だけは違っていた。呼び鈴が鳴るのでドアを開けると、かりん(池脇千鶴)と名乗る、不思議な言動の女性が立っていた。彼女は…

小津+ギャグ+ダメ人間= 『全然大丈夫』

古本屋の息子・照男(荒川良々)は植木屋に勤めてはいるが、30歳を目前にしてなおふらふらしていてだらしなく、ホラー趣味で他人を怖がらせることだけに執念を燃やしている。一方、友達の小森(岡田義徳)は病院清掃の管理者として真面目にこつこつ働く。照…