2006-12-01から1ヶ月間の記事一覧

今年も勝手に映画大賞2006

どういうわけか今年ではや4回目の企画だということを、つい先ほど発見しました。ちなみに2003年の第1回からの歴代1位は、『阿修羅のごとく』、『茶の味』、『ALWAYS 三丁目の夕日』です。意外と家族モノに弱い一面が出てしまっていますね。 今年は観たり観た…

なんとなく60点 『酒井家のしあわせ』

次雄(森田直幸)は次男で、兄は父と一緒に交通事故で死んだ。いまは継父(ユースケ・サンタマリア)と母(友近)、その間の子とともに暮らしている。反抗期だ。ある日、継父が出て行った。"男"ができたのだという。母は実家近くに引っ越すと言っている。む…

青春は遠きにありて思うもの 『気球クラブ、その後』

気球クラブは、短い間だったが、存在した。主催する村上(長谷川朝晴)は、おんぼろの家屋で、恋人の美津子(永作博美)と暮らしていた。クラブがなんとなくなくなりかけていたころ、村上が死んだ。いまだらだらとつながっている二郎(深水元基)やみどり(…

描写と役者陣の活躍に感激 『鉄コン筋クリート』

クロ(二宮和也)とシロ(蒼井優)は、幼くして、開発を逃れて取り残された古びた街・宝町(たからまち)をひそかに取り仕切っている。そこにある日、ヤクザのネズミ(田中泯)が訪れ、再開発のための土地の買い上げが進行していく。しかしクロとシロはそれ…

市川崑がまだ生きている 『犬神家の一族』

方々で散々な書かれ方をし、ありとあらゆる部分を非難されている。いやはや忙しいこの時期に面白くない作品を観るというのも、しかし前売りを買ってしまったし。といささか気乗りしない感じで観にいったのだけれど。 なあんだ、すごく面白いじゃないか! 大…

いま奥田瑛二が面白い 『長い散歩』

かつて教師をしていた松太郎(緒方拳)は、教育者である一方、家庭を崩壊させた張本人でもあった。妻が死に、家を整理して、古いアパートで質素なひとり暮らしを始めた。その生活は平穏でなかった。隣人の女(高岡早紀)は、内縁の男とだらしない暮らしをし…

太陽の色などとてつもなくたくさんあるから*1

ほんとか。こんこんがアドミッション・オフィスでSFCに行けるというのは。 どんな思惑と意思と目的があるにせよ、とても喜ばしいことじゃないか。まず祝おう。さまざまな大学とキャンパスがあるなかで、いいところを選んだと思う。大学は、入ってからどう過…

ファンタジーは崩壊せり 『NANA2』

ロックバンド・ブラストとして、恋人を引き抜いたトラネスの妥当を目指すナナ(中島美嘉)と、確たる夢はないがいつも夢見心地の奈々(市川由衣)はルームメイト。失恋明けの空っぽな奈々は、憧れの男性、トラネスのタクミ(玉山鉄二)の巧妙なアプローチで…

季節の終わりに ハロプロ楽曲大賞2006選評

いろんな人びとの引退があり、青空の時代がすっかりいなくなってしまいました。大きな流れから見れば不遇の数年を過ごしたのではないかと思いますが、凡人であるがゆえの魅力を精いっぱい出しつづけて、あるイズムを表現したとともに、次につながる仕事をし…

ご冗談を入れなさいよ、山田さん 『武士の一分』

下級武士の三村新之丞(木村拓哉)は毒見役として城内で働く。家では妻(檀れい)と仕えの徳平(笹野高史)の3人暮らし。あるとき、なんの意味もないと感じられた毒見役の新之丞が、食中毒により失明してしまう。自暴自棄の新之丞を見守る妻は、親族の誘いに…

田中麗奈がやってきたヤァヤァヤァ 『暗いところで待ち合わせ』

ヤァヤァヤァってホントに便利な言葉だ。とりあえず使っておけばなんとかなりそうな感じがする。卵とじみたいなものか。 ミチル(田中)は幼いころの事故が元で、徐々に視力を失い、今は全盲の状態。やがて父親に先立たれ、ひとり暮らしを余儀なくされる。そ…

ドッペルゲンガー、梅喜さん、『パプリカ』

他人の夢に侵入し共有することで、心理状態を把握し治療する。それを可能にする機会「DCミニ」が盗まれた。そして、他人の夢に進入して精神状態をコントロールする「テロ」が始まった。事態を収拾しようとするパプリカや研究所所長、刑事までもが、夢と現実…