2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

映画力で乗り切る 『パッチギ! LOVE&PEACE』

アンソン(井坂俊哉)の一家は東京にきていた。彼の一人息子・チャンスが難病にかかり、その治療先を求めてのことだった。東京のある病院で、アメリカでの検査を勧められたアンソンは、危険な銭稼ぎに手を出す。一方、妹のキョンジャ(中村ゆり)は、アルバ…

犬童美学の作品 『眉山』

咲子(松嶋菜々子)は、徳島で母・龍子(宮本信子)の手ひとつで育てられた。なぜ父がいないのか、東京で生まれ育った母がなぜ徳島で、身寄りのない生活を送っているのか。江戸っ子気質で過去と決別して生きる龍子は、咲子に多くを語らなかった。その母が癌…

寅さんから鬼太郎へ 『ゲゲゲの鬼太郎』

さて、気持ちも新たに鬼太郎だ。評判のよさはかねがね聞いていたが、期待値に違わぬ作品になっていた。 団地住まいの三浦家は、母を早くに亡くし、工場を解雇された父(利重剛)は家族を養う金の工面に苦慮していた。ある日、亡き母の結婚指輪を質に入れよう…

反面教師として存在意義ありか 『俺は、君のためにこそ死ににいく』

今年ワーストワンの有力候補だ。あまりに出来が酷すぎて、いま、どうやって感想を書いたらよいかと悩んでいる最中である。 まず、粗筋を書くのに苦労する。要するに、知覧の特攻隊が母のように慕ったという食堂のおばちゃんと若い兵隊たちの交流を描いたもの…

はっちゃんはタナダ監督に救われる 『赤い文化住宅の初子』

宇野初子(東亜優)、中学3年生。父親は幼いころに蒸発し、母親に死なれ、いまは兄(塩谷瞬)とふたり暮らし。兄は高校を中退し工場で働くが、満足な金が手に入らないばかりか、外で酒を飲んで帰ってきたり、女を買ったりで、初子のやりくりは苦労が耐えない…

5月の衝動買いハリケーン

嗚呼、アパートの契約更新をしたり、会社の人と遠出したりしたというのに、どうしてまたこんなに購買欲がいや増してしまうものか。 [rakuten:book:12046663:detail] 産経新聞で紹介されていて、どうしても欲しくなった一冊。GHQ専属カメラマンがとった日本な…

キュートすぎるバカムービー 『机のなかみ』

高校3年生、父親と二人暮しの望(鈴木美生)には、どうしても行きたい志望校があった。でも、今の成績ではとても適えられない。そこで父親が呼んだのが、家庭教師の馬場(あべこうじ)だった。馬場は彼女の気を引こうと巧みな話術を展開するが、望はあくまで…

すごくはないけど、中江監督はエライ 『恋しくて』

高校に入学して栄順(東里翔斗)が出会ったのは、かつて近所に住んでいた幼馴染の加那子(山入端佳美)だった。ついでに加那子の兄・セイリョウ(石田法嗣)にも同時に出会ってしまい、彼の思いつきでバンドを組まされ、しかもボーカルに指名されてしまう。…