2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

絵画のような映像と行き届いた演出に感服 『あの空をおぼえてる』

田園風景の広がる街で、交通事故が起きた。写真館を営む深沢(竹野内豊)の2人の子が走って買い物に出かける途中だった。長男の英治(広田亮平)は一命を取り留めたが、妹の絵里奈(吉田里琴)はその短い一生を終えた。それ以来、にぎやかだった家族が一変し…

なにかがどこかで絶えずずれつづけ 『砂時計』

両親の離婚で、東京から母親の故郷の島根にやってきた杏(夏帆、松下奈緒)。しかし母親は故郷ですでに居場所はなく、心神を患った挙句、自死してしまう。どん底に落ちた杏を支えたのは、引っ越して早々からなにかと気を使ってくれた大悟(池松壮亮、井坂俊…

子供が大人になるそのとき 『チェスト!』

錦江湾を望む鹿児島の漁港。小学6年の吉川隼人(高橋賢人)は、剣術で精神を鍛錬する一方で、大きな弱点があった。カナヅチなのだ。なのに小学校には、桜島を往復する遠泳大会がある。2年連続で仮病を使った隼人だが、いよいよ逃げられなくなった。そんなと…

開き直ったテレビ的作品の清々しさ 『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』

栃木県のとある田園都市。不良と呼ぶにはあどけない、いたずら好きの高校生たちがいた。ある日、そんな彼らに完全と立ちはだかる壁が現れた。駐在さん(佐々木蔵之介)は西条(石田卓也)のスピード違反を取り締まったことをきっかけに、彼らは駐在さん相手…

表現することの楽しさを表現する 『うた魂♪』

七浜高校2年の荻野かすみ(夏帆)は合唱部のソプラノパートリーダー。歌が上手くて美人なのは他人も認めるが、本人の自惚れ方は尋常でない。ある日、片思いの生徒会長・牧村(石黒英雄)に写真のモデルになって欲しいと言われ、それが告白のようなものだと妄…

信じられないけれど頷けるなにか 『受験のシンデレラ』

真紀(寺島咲)は高校を中退して運送会社に勤める毎日。母親(浅田美代子)は働かず真紀の給料で遊んで暮らす。父親は家を出て行った。真紀は日給で貧しい家計を支えていた。ある日、スーパーで裕福さを持て余したようないらだった男に遭遇する。その男、五…

それは再生の物語 『船、山にのぼる』

広島県、灰塚。3町にまたがるこの谷にダム建設の計画が持ち上がったのは40年以上も前のこと。反対運動は洪水被害を目の当たりにして揺れ続け、ついに受け入れを決めた。それから運動は、いかに集落を再建していくかにテーマをシフトさせた。移住と同時に進め…

マイルドな国、日本

これについては沈黙が金になり得ないと思うので、眠い目をこすりながらでも書かないといけないのだろう。なにも書かないで済む展開を期待していたのに。日本語が少々おかしくなるのは眠いせいということにしておいて欲しい。 「靖国」というドキュメンタリー…