2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

日本映画だ、だから面白い 『ミッドナイト イーグル』

戦場カメラマン・西崎(大沢たかお)は、もう戦争に行きたくなかった。シャッターを押しても誰の命も救えないと思っていた。いまはひとり、日本アルプスに登って、自然を撮影して過ごしている。その山中に、謎の光が落ちていった。その直後の自衛隊機のスク…

ぶらりと西へ

先週末のこと、会社に休暇をもらう予定だった日をよくよく考えてみたら、およそ休んでいられないスケジュールになっていることが判明した。そこで上司にそのことを告げると、「じゃその日は出勤して、あさってから3連休にしていいよ」との言葉が。うやうやし…

スマートで丁寧なロードムービー 『逃亡くそたわけ―21才の夏』

学生の花ちゃん(美波)は高校生の時分から躁と鬱に悩み、幻聴と幻覚にも苦しんでいて、両親は福岡の病院に入れた。その病院をプリズンと呼ぶ花ちゃんは、一生をここで暮らしたくないと、同じく鬱病で入院中のなごやん(吉沢悠)を連れて脱走してしまう。何…

ゆるきなかにも礼儀あり 『転々』

大学8年の文哉(オダギリジョー)には84万円の借金があった。ある日、突然に借金取りの男(三浦友和)が部屋に上がりこんできて、3日以内に金を用意するよう言いつけるのだが、文哉に策があるわけがない。ところが数日後に現れた男は、金をやるから自分に付…

骨太な作品に舌鼓を打つ 『犯人に告ぐ』

6年前、大晦日。巻島(豊川悦司)は誘拐犯を捕獲するため、張り込みをしていた。しかし、寸でのところで捕り逃し、子供は殺され、その両親に人殺し呼ばわりされ、左遷する。足柄でそれなりにのんびり過ごしていた巻島だが、かつての上司・曾根(石橋凌)が本…

予定調和の国民映画、だからこそいい 『ALWAYS 続・三丁目の夕日』

いわゆる「涙のカツアゲ」*1から2年。夕日町が帰ってきた。駄菓子屋の茶川(吉岡秀隆)は少年雑誌向けの小説を書きながら、淳之介(須賀健太)と貧しい暮らしをしていた。そこにふたたび淳之介の実父(小日向文世)が現れ、息子を連れ戻そうとする。それを嫌…

これを痛快と呼ばずしてどうする 『やじきた道中 てれすこ』

新粉細工職人の弥次郎兵衛(中村勘三郎)は、小銭稼ぎのために指の模造を依頼する女郎の喜乃(小泉今日子)にすっかり惚れてしまった。足を洗わせるほどの稼ぎもないつかず離れずの関係に、喜乃が仕掛けて遊郭を足抜けしてしまう。そこに偶然出くわした、弥…

慰留を留保

小沢代表、慰留を留保 民主幹部の要請に http://www.asahi.com/politics/update/1105/TKY200711050300.html そのうち訂正されてしまうのかもしれないけど、どうやったらこんな変な日本語の凡ミスができるのか。朝日さんだから嘆かずに笑っていられますが。や…

佳作以上名作未満 『オリヲン座からの招待状』

オリヲン座を閉館することにした。留吉(原田芳雄・加瀬亮)は、ゆかりのある人たちに、最終興行への招待状を書いた。思えば大津から無一文で京都にやってきてから、数十年というときがたっていた。トヨ(宮沢りえ)は先代と昭和25年にオリヲン座を開いた。…

テレビが土足で上がってくる 『自虐の詩』

大阪。オンボロのアパートで若いふたりが暮らしている。イサオ(阿部寛)は極道から足を洗ったが、ろくに働きもせず、舎弟たちと遊んでばかり。虫の居所が悪くなると、ちゃぶ台をひっくり返して食事をだめにしてしまう。そんなイサオをどういうわけが愛して…

生きることと生きていることの強烈な表現 『Mayu ―ココロの星―』

まゆ(平山あや)は医者になりたかった。子供のころから、母親(浅田美代子)は幾多の病に冒され、克服してきた。その姿をずっと見てきた。しかし医学部への3度のチャレンジも実らず、出版社に勤めるようになった。恋人ができ、母親も何度目かの入院生活を終…