ギャグがつよくてあったかい 『ラブ★コン』

予告編を見た限りでは、"どうせ下らん作品じゃろうが、わいにはもっと見ないといけない作品があるけん(暑すぎて言葉があやしい)"と高をくくっていたのですが、あまりにも好評を見すぎたものですから、ついつい劇場に足が向きました。いつもはシルバーシアターの銀座シネパトスが女子中学生でわんさか! そんななかにも孤高の老人が数名! 老人たちは内容を知っていて見にきたのでしょうか。
さて鑑賞後数日が経過してしまったので、簡単に書いてしまいますが、油断しないでしかめっ面で観てやろうとする僕を、背後から狙い撃ちするような作品でした。こんなにギャグてんこ盛りの作品だったとは。ジャンルは「コント」でよろしいでしょうか。『ケンタッキー・フライド・ムービー』のような外国のギャグ映画を思い出しながら観ていました。
主演の藤澤恵麻小池徹平はじめ主要キャストは「ほぼ新人」状態で、おそらく文芸的な作品をやったら観客が身悶えするような事態になったことでしょうが、そこはさすが鈴木おさむ。コテコテの作風にすることで、逆に彼女らを引き立たせることに成功している。脇役の谷原章介温水洋一しずちゃんらが本気でがっちり固めている。監督の石川北二も侮れません。
僕自身、ゲラゲラ笑ってしまったので敗北をお認めいたしますが、本来は好みでない「テレビ的」作品ではあるのですね。ただ、それにしてもよくできているのと、(たぶんターゲットの)女子中高生たちを劇場に運ぶ共通言語みたいなものがある気がして、なんとなく納得させられています。年度代表的な娯楽映画です。