ハチクロの映画化に思う

芸術と美術の違いは思想の有無だということを、かつて辻井喬がなにかに書いていた気がするけれど、やっぱり映画も、美しさと思想が並列しているといいと思う。でもひとつだけ、青春映画だけはどうしても例外視してしまうんだよなあ。思想と生い立ちは切り離せないし、そこを切り離すスノッブも持てそうにない。
そんなわけで、ハチクロには興味津津です。ほとんどの主要キャストが、なかなかいいと思います。どんな作品になるかしらと妄想すると、どうしても市川準監督『トキワ荘の青春』にたどりついてしまいます。あの雰囲気だよ。
そこで思うのは、はぐのキャスティング。haouさんが言われるように「はぐ・コロボックル」は、まさに前提なので、そこは持ち前の演技力でうまくやってくれると信じながらも、なんとなく不安なんですよね。でも、代わりになれる人材の少なさは、日本映画界の大いなる悩みです。
さきほどからうんうん唸って考えていたんですけど、蒼井優でいいのかもしれない。あるいは、もう設定を大きく変えて、はぐを外国人にしちゃうとか。ムン・グニョンで。
こう考えると、『ジョゼと虎と魚たち』って名作だったんだなあ。話がずれすぎか。