腐っても韓流『マイ・リトル・ブライド』

夏ですね。ただ渋谷で映画を観て帰ってきただけでヘトヘトになることに、いい加減どうにかならないものかと思います。いや、ただ暑いだけないのは明らかなのですが。また明日から仕事か。
つくづく世の中は変わったのだと思うのですが、観客のほとんどが熟女なのですね。韓国と名のつくところには必ずオバハンがいるという状況ですね。まさかこんな作品にまで侵食しているとは、予想だにしなかったもので、困惑というより、内容選ばずといった感じのオバハンたちが脅威でした。そして彼女たちは、イメージ・フォーラムの場所が分かりにくいと、受付嬢に意見するのでありました。きっと新宿のケーズ・シネマでも同じ光景を見られたに違いありません。
さて。肝心の中身ですが、まさに「腐っても韓流」。全体的にカット割りは下手だしストーリーもうまくつながってるのかどうか危なっかしくて、退屈。それでも終盤にかけて、お馴染みの「実は昔からあなたのことを」路線が始まって、それなりにストーリーを盛り上げちゃうあたりが強引だけどすごい。もう少し工夫すれば、日本の古いコメディ映画みたいなテイストを出せただろうに。
そんななか、ひとり圧倒的に光っていたのがムン・グニョン。異彩にして偉才。一度見たら忘れないインパクトある顔つきで、見事にコメディエンヌとしての役割を果たしています。演技のひとつひとつが面白い。あれ、どこまでが作為なんだろう。いまの瑞々しさもすごくいいけれど、声が落ち着いてくる頃にもまた面白い役者になりますよ。それまで、どうか腐らないでいてほしいのですが。
そういえば、劇場に『ダンサーの純情』の韓国版サントラがありました。来年早々の公開といったところでしょうか。楽しみにせざるを得ません。