「レディ・ジョーカー」はあと4時間ぐらい足りないかな

なんとなくこの年末に1本も映画を観ていないというのが異様に思われて、寝不足を押して映画館に行ってまいりました。とりあえず寝ることなく、飽きずに観られたので、それなりに面白かったんだろうなあと思ってます。すごく客観的ですけど、年間の鑑賞数が多かったもので、それだけでは尺度を測れなくなっているのですよ。
相変わらず原作をちっとも読みませんが、きっととても複雑なんでしょう。噂には聞いてます。2時間でなんとかなるストーリーでないですねこれ。誰が最初にこれを映画化しようと思いついたのかは知りませんけど、1本にまとめないといけなかった商業性に泣かされます。それを重々承知のうえで映画化したんでしょうから、その勇気にも泣けます。
ただ、お陰様でというか、ストーリーのいろんな部分に難があります。これを抑えないとストーリーが分からなくて商業映画としてはしんどいですよという箇所が何度も出てくる。もっともテレビドラマでなくて映画だというところがせめてもの救いなのだけれど、にしてもストーリーテラーが散在しちゃってるうえに、たまに時系列が逆さまになったりしちゃう。んなもんだから、しばらくの間、長塚京三は1人2役なんだとばかり思ってましたから(登場人物の肩書きを見落としただけかもしれないけど、いやそうなんだけど)。
それから、渡哲也とか吉川晃司とか徳重聡とか、狙っているとはとても思えない演技っぷりも、ハマッててホントにようございました。その意味では、辰巳琢郎のボンボンな感じも、狙っているとはとても思えない演技っぷりでよかったのかも知れません。長塚京三って来年還暦なんですね。ぜんぜん見えない。あ、綾田俊樹が出演してましたね。同定までに3分ぐらいかかりました。
再び脚本の話ですけど、この際もうディテールのおかしさには目をつぶるとして、すごく苦労したと思いますし、2時間にしてはとてもスマートだったと思います。さすが平山監督です。なので、いっそそのうち、はじめから3部作にすることを決めてかかってからリメイクすると、かなり面白くなるでしょうね。あるいは、テレ東の12時間ドラマの枠でやるのもいいですね。
果たしてこれが今年最後の作品でよかったものか。と思ったものの、一昨年は「なごり雪」、昨年が「ドッペルゲンガー」だったので、きっとそれ相応なのでしょう。むしろ来年1作目を真剣に考えますかね。