渋谷で観る渋谷の映画「believer」はリメイクすれば面白くなるか

もう数日前に観た作品なので、そのときに持った印象を中心に書くことになることをお許しくださいね。
多胡由章のおそらく劇場公開作品としては初監督の今作は、渋谷オールロケで臨んで、しかも渋谷でしか公開されていないコメディ。たぶん。コメディだよな。ほとんど笑ってないけどな。主演の吉沢悠は渋谷のペテン師役。幼少期に両親の離婚を食い止めようとスプーン曲げをやって見せたことで一躍有名になるも、インチキだったとして社会から放り出された過去を持っている。ひょんなことから謎の女性(伊藤歩)と出会い、ひょんなことから占い師として人気者になるも、大どんでん返しによって、彼の人生は急転する。
これ、題材としてはなかなか面白いと思うのですよ。ペテン師という存在はエンターテインメントとして格好の材料になるし、渋谷という舞台はその存在を都市伝説に持ち上げるのにちょうどいい。事実、悪くない作品に仕上がっている気がしなくもなかったです。ただし、テレビドラマとしてね。
全体の作りは、堤幸彦と仕事をしているためか、テレビ朝日の深夜にやってるドラマそのもの。チープ。人物描写よりも、展開の面白さでストーリーを組み立てようとしています。これを連ドラにしたら、そこそこの数字が取れるかもしれません。あるいは2時間ドラマ枠でえいやっと放送してしまうとか。役者陣も奮闘していましたよ。吉沢悠もひとまず熱演はしてましたし。そのどこかはまりきれない部分が、逆にストーリーを組み立てていたかもしれないと肯定的に評価することにします。
ただ、くどいですが、これはテレビ作品としての評価なので、学生料金1500円を支払って観る場合は、それなりの勇気と好奇心を抱くことが大切です。今回の作品はなかったことにしてもいいので、「劇場版believer」をいつか製作していただきたいものです。
(追記)そういえばこの作品、映倫のマークがなかったのですが、どういうわけ。