年頭の挨拶

帰郷すると当然のように寝正月で、今年ほどテレビのつまらない年もなく、空元気にただ虚しさを感じるばかりでした。もう聞き飽きたでしょうから、定型の挨拶は省略いたします。
わたしの故郷、札幌は、暖冬が深刻な問題になりつありました。この際雪まつりなんてどうでもよくて(少々の経済効果に関わりますが)、心配なのは夏の水不足です。札幌の水道は雪融け水を利用していますので、のちのちたいへんな事態になる可能性はきわめて高い。おそらく春近くなってから、災害レベルの大雪が来るに違いないのですが、この時期を帳消しにしてくれることはないでしょう。
高校卒業と同時に札幌から逃げて、はや8年が経とうとしています。当時は北海道の経済が完全に破綻しており、我が家が路頭に迷う事態は避けられたものの、社会はかなり迷走していました。以来、盆暮れに帰郷するたびに、東京の資本に吸うだけ吸われて廃れていく故郷に鬱々とした気分になっていました。
ところが、これはわたしの勝手な感覚に過ぎないのですが、今年の冬は少し色合いが違って見えました。実に数年ぶりに、郷土色を持った明るさを感じたのです。東京から実にさまざまな資本が投入されて、このまま東京のコピーになっていくのだろうかと本気で心配していたのですが、大手資本の色を自分たちで変えていく図太さが表れた気がしています。街の明るさが、地に足がついています。
そろそろ本気で移住を考える時期でしょうか。
さて、このブログはまだ運営します。お付き合いください。節目に抱負を無理やり考えるのは好きではありませんが、作業上きりがいい時期なので、今年はどんなことを書こうかと考えているところです。たとえば映画の感想を、これまではできるだけ褒める方向で書いてきました。どんな映画にも必ずひとつはよいところがある、と黒澤明が言ったとか言わないとか。なかにはほとんど嫌味で書いたものもありましたが、なかなか嫌味だと受け取っていただけなかったかも知れません。もっと嫌味ったらしいほうがいいのか、静かに深く(きな臭い総理風)考えているというわけです。
いずれ、頑張りませんので、その旨はご承知おきください。