猫に噛まれて苦しむ夢を見た

夢を見ることなんて滅多にないのですけどね。なにかの予兆か、日々のプレッシャーからか。じっくり考えてみれば、まだまだ大した仕事をさせてもらっていないので辛いわけがないのですけど、異様な精神的圧迫があるんですよね。どう考えても"夜の仕事"のせいです。普通に帰してもらったのって、初日しかない。
そんな状況下、引越し準備しないといけないわけです。今いる部屋は会社が借りていて、もうすぐ契約が切れるもので、配属が決まってから、同期のみんなは大慌てで部屋探しです。僕も今朝、ようやく新居が決定しました。で、こんだけバタバタしているのに、土日でリフレッシュした気になっている辺りが社会人かもしれない。
そういう状況なので、よせばよかったのですけど、無理を押して映画館に行ってきました。『大統領の理髪師』。危うく見逃すところでしたし。
韓国戦後史を織り込む作品はたくさんあって、おそらくそういうものに人気が集まるのでしょうけど、コミカルだったり重苦しかったり、これほどいろんな感情が凝縮された作品もそうそうないだろうと思います。
ソン・ガンホが演じた主人公のソン・ハンモは、ちょっと頭が抜けていて、愛すべきおバカさん。街中みんなそんな感じなので、葛飾柴又、寅さんの世界を彷彿とさせます。あんなほのぼのとした下町の風景を、韓国映画の中で観られるとは思いませんでした。
その、ののほんとした街が、政治に翻弄させて、いいことも悪いことも起こる。でも結局、平々凡々であることの幸福を思い知らされる。もう少しストーリーをシンプルにしたほうがいいという議論がありそうな気もするけれど、ストーリーテラーである一人息子の成長、あるいはソン・ガンホムン・ソリの演技やメイクが、感情や月日の移り変わりを見事に表現していて、ぎゅうぎゅう詰めのストーリーに違和感を起こさせません。ソン・ガンホってホントにすごい。
この作品は、じっくり落ち着いて映画を観たいときに最適です。こういう作品がたくさんできると、映画がもっと面白くなる。
さて。会社にレポートを書かないといけないのに、もうこんな時間か。ちょっとまずいな。どうしよ。