ハロプロ楽曲大賞2004候補だった曲一覧

先日、数分間の熟考ののち、点数配分も含めてすべてを決定いたしました。それはまたあとでご紹介するとして、ひとまず落選曲について書いていこうと思います。もっとも、ここに書かなかった楽曲を知らないというのではなくて、あくまで候補曲だけを抽出したということです。とはいえ、知らない曲もかなりありました。誰しもが思っていることですけど、こればっかりはしゃあないです。じゃ、適当にコメントをつけながら。

明らかに何かが欠けてますね。まあそういうことです。「かしまし」に関しては、宴会芸といいますか、いわば「マツケンサンバ」のノリで評価してまして、コンサートの序盤に必ず歌われる習慣がつけばいいんじゃないかと思ってます。7期メン用の歌詞が作られることを切に願います。
「涙が-」は、久し振りに「歌が下手であることが芸」というアイドル固有の業を感じました。80年生まれの僕にとってアイドルのルーツは「土曜の夜8時台にTBSで歌う人」でして、いまだ有名な人もいましたけど、一方でいまや忘れ去られた人もたくさんいました。彼女たちの音痴っぷりは衝撃でありましたが、アイドルというのはそういうもんだし、かくあるべしというスタンダードとして脳内に定着いたしました。僕は、朗々と歌い上げる人をアイドルと思えません。
この辺りの由来は中尾ミエ伊東ゆかりにあるらしく、大滝詠一はかつて彼女たちを「ジャリの出現」と表現していたはずです。この「ジャリ」の末端に位置するのが、ほかでもないポンちゃんとシゲさんだと、僕は思ってます。世の中は数十年かけて、彼女たちの素晴らしい歌唱に肝要でいられるようになったわけです。
では(シゲさんはともかくとして)ポンちゃんが発展途上なのかどうかということですけど、あれは完成型でしょう。かつて松本人志が「電波少年」のなかで、アメリカ人を笑わせるという企画に出演してましたが、あの時松本が「100%の力で65%の芸をやる」という目標を掲げていました。ポンちゃんがやっていることは、そういうことなのだと思います。もっともポンちゃんはそれを発展途上ゆえだと思っているはずですが(それはいいこと)。そしてその「永遠の発展途上」のような状態が、「いかにもなアイドルらしさ」なわけです。
そこまで書いておきながら、ではどうして落選させたのか。ほかにもっと素晴らしい楽曲があったこと、この楽曲のメリハリとピッチ調整に不満があることが理由ですね。フェアなジャッジを目指しましたから。
その点、「遅刻です-」はAKIRA節が非常に心地よいうえ、現代女子の四畳半フォークみたいな世界観が瑞々しく、お見事だったと思います。

「ラッキー-」は、確信的行為を本来の姿と捉えればいささか亜流でしょうが、ミニモニ。のテーマソング的なものがあるだろうと。それがまた「ミニモニ。でブレーメンの音楽隊」とのリンクで、評価がグンと上がりました。カン紺藤については、冒険心を買ったというのと、ポンちゃんがあまりに素敵だったのとで、ついつい候補曲に。このユニット、寺田兄がいま一番やりたいことをできる、融通の利く集団なのかもしれません。
ところで「ファーストアルバムの美学」というものが存在すると思いませんか。あの1枚目にかけられる作り手の情熱は、なににも替えがたいものを持っていると僕は思います。今年はベリーズ工房がそうでした。そのなかでも圧倒的なキュートさで印象に残ったのがこれ。タイトルとアレンジのよさが光りました。
ダブルユーはカバーもよかったけれど、オリジナルはもっとよかった。いま「ロボキッス」のPVを見ながらこれを書いてます。本当は点数を付けたいぐらい素晴らしい。ただちょっとテンポが速すぎて。ポップスならミディアム・テンポ、クラシックならアダージョを好きな僕の、わがままを通してしまった結果です。とかなんとか書いてるうちに、本気で点数を付けたくなってきた。んー。

今年はごっちんへの評価が高いですよ。とくにアルバムは、就職活動中に本当にお世話になりました。電車のなかでそいつを聴いて気合を入れて、面接に望んだものです。短時間勝負の世界では、どんな栄養剤よりも効果的でしたね。そのなかでもリズム感のある2曲が候補でした。きっと生粋のヲタさんは別のところを見てるのでしょうけど、僕の好きなごっちんはこういうのを歌います。「ALL-」は地味だけどファンに愛される楽曲ですね。シングル全体の評価が高いのも頷けます。
さて、松浦さんをどうしようかという感じなのですが、とりあえず候補曲を選んでみました。今年もいろんな人がいろんなカバー曲を発表したわけですけど、そのなかでも抜群だったのがこれだといっていいのでしょう。もっとも、彼女が歌うことの必然性についてはよく分かっていません。この名曲をいま世に出すのにもっとも効果的な人物だということだけは確かなのですが。ただ、これは彼女の最大の魅力じゃないかと思うのですが、歌うたびに少しずつ何かが変化するのですよね。必死に楽曲を自分のものにしようとする努力が、たいへん美しい。リリース当初に感じられた癖がどんどん抜け落ちていって、最終的にはずいぶん聴きやすくなったという印象です。本当は「初恋」も候補にしたかったのですけど、映画で聴いたのが唯一という状況では判断つかないので、やむなく却下。
以上が、落選した曲です。まさかこんなに長く書くことになるとは思いませんでした。全部読んじゃったあなたとあなたとあなたはお疲れ様でした。後日、本編の5曲を発表しますけど、点数を付けられる分、文章は短くします。意外なラインナップかもしれませんが、ある基準を設けてあるので、納得してもらえると思います。