かあちゃんの日

北海道のスーパー「ポスフール」の母の日キャンペーンCMは、タレントのちはるを起用。これが、すごくいい。画面に登場するのは母たるちはるだけ。ナレーションにて子供が、「母親」の呼称をあれこれと呼び続ける。「お母さん」とか「ママ」とか「ちっはるぅ」とか。結局のところ、「やっぱかあちゃん」で落ち着いて、「ありがとう」の一言。
照れる演技をしつつもただ立っているだけで画面いっぱいに母性を見せつける、ちはるのその大きな存在感が素晴らしいし、そこに乗っかる「かあちゃん」という響きが、またいい。「かあちゃん」の王政復古なのだろうか。ニュータウン時代から長らく続いた「ママ」の時代が終焉を迎えるとすれば、それはこの国にとってとても大きな出来事に違いないのだけれど。
それは不確かだが、少なくとも「かあちゃん」の響きには、CMのイメージ以上に、上の世代の訴えるものがあるのかも知れない。高齢化社会で、じいちゃんにもかあちゃんがいるのだ。シンプルなCMの作りが、ノルタルジーを沸き起こすか。地方企業のCMとしては、たいへんな秀作だと思う。