いろんな魚がいるからいいんじゃないの

釣りバカ1作目って、昭和の松竹の匂いがまだ残ってたんだねえ。アフレコがずれまくり。そして方言も無茶苦茶。名作や大作を作ろうという肩肘張った感じが一切ない。いつでもやめられるからこそ、続けちゃうんだよね。
いや言いたかったのはそこではないんだ。スーさんが立場を語らずにハマちゃんと酒を飲んで、釣りの情熱をもうちょっと会社に傾ければ、とそそのかす。そこからハマちゃんの雄弁がはじまる。

鯖ばっかりが釣れてもすぐ飽きちゃうでしょ。鯵がいて櫨がいて鰈がいて穴子がいてアイナメがいて...ときには蟹だって釣れる。だから面白いんだよ。

これを聞きながら頭に浮かんだのは、昨今話題の"青空の10人"って言葉だったんだよね。ほしいのはずば抜けたひとりじゃない。ひとりでは心もとなくても、集め方と使い方次第で、ちゃあんと粒だってくる。もともと日本ってそんな感じだったんだろうね。新しいことなんかひとっつもありゃしない。だから面白いんだ。
やっぱり浜崎伝助は尊敬に値する。あの思想は学ぶべし。かつて外部研修に出されたとき、講師から「誰の電話応対が好きか」と聞かれて、「ハマちゃん」と言ったら周りが引いてたけど、私は間違っていなかったのだ。