God bless her?

H.P.オールスターズのCDは簡単に手に入るかと思いきや、大手ショップでは売り切れておりました。最近は忙しくてテレビや買い物どころではなかったもので、ようやくさきほどになって映像つきで楽曲を聴いた次第。それにしても、どうしてそこまで「期せずして」という感覚が刷り込まれているのかと驚きますね。
あの曲を見聴きして僕が思い出すのは、なんといっても「God Bless America」。9.11のあとでメディアというメディアが中継するなかで、多くの歌手や著名人が歌い上げたあの曲です。「僕たち」はついに、あのときのアメリカ国民の心情を追体験したのだと思います。
シンボリックな存在が瓦解したとき、それを信じていた人々がなにを思って、どう動くのか。実際にはそんなふうに書くほどシステマティックなものではなくて、もっとずっと複雑で泥臭く、「僕たち」による社会への対峙でもあり、アイデンティティを守る闘いでもあります。いろんな意見がありました。そもそも発信したことの是非の議論はあると思いますけど、それでも書かないわけにいかなかったと思うし、良識を語るよりも苦し紛れの言葉のほうが、ずっと何かを語っていたと思います。もっとも、沈黙していた僕にはこれ以上のことは言えません。
そんなとき、45名の「ALL FOR ONE & ONE FOR ALL!」が、「僕たち」の結束と前進を鼓舞しました。というより、あの45人の姿を見て、「僕たち」はずいぶん勇気づけられている。「彼女」が欠けたことでいっそう、「彼女」のシンボル性を高めることになったかも知れないし、「関係性」とか「歴史性」とかも無視できない。そうやってかれこれ7年も、「僕たち」にまつわるなんだかんだを励ましてくれていたことに、いまさらでもいいから気付くことからはじめればいいんだなあと、いまさらながらに感じます。今回は、そのなんだかんだが彼女たち自身のところからひょっこりと出てきただけなんだ。
アメリカという国が本当に神様に守ってもらえたのかどうかは知らないけれど、神様はそれを信じる人の前にしかやって来ないわけで、「彼女」のところにはきっとやって来るんだろうと。じゃあ神様って誰だよと問うたとき、誰でもないのだけども、少なくとも「僕たち」がそれの所作を規定できる部分があるようです。至極当然だし、ちょっと文章が淡白な気がしますけど、これを書くに至るまで数日を要してます。うん、さすがに落ち込みましたね。

「がんばれよ」なんて
無責任なこと言って逃げたくないし
さあどうしよう
 
だから僕は歌うのです それで
君の中にあるスイッチを押すのです
余計なガラクタの裏に
そっと隠れて出番を待っている
君のスイッチを押すのです
 
僕にできるのはたったそれだけ
 
君のスイッチが壊れてませんように
 
(JIGGER'S SON 「スイッチ」 asin:B00005EPMF

2月なんて、あっという間にやってきます。スイッチを壊してる場合でないし、ボヤボヤしてるとスイッチを押し損ねますね。未来だけ見てればそれでいいべさ。